梅雨の季節を前に・・・“雨のにおい”の正体

本州の本格的な梅雨入りは、今の予想だと6月になってからと予想しています。

今年は、ラニーニャ現象が夏まで続く可能性があり、梅雨明けが平年より少し早く、例えば、東名阪など7月中旬になりそうです。
今年の梅雨も大雨になりやすい気象状況となりそうですので、大雨の備えは早めにしておきましょう。
(ラニーニャ現象については、改めてまた解説しますね)
そんな梅雨の季節を前に、よく耳にする「雨のにおいがする」について解説します。

雨が降りそうで降らない不安定なお天気の時、そんなふうに感じたことがある人も多いのではないでしょうか?
雨ってにおいがあるのでしょうか?

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そもそも、空気中に湿気が多い時のほうが、においは感じやすいんです。
空気中の水蒸気ににおいの成分がくっつくため、鼻腔でにおいが感じやすくなります。

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天気では、晴れた時、暖かい空気は、ゆげのように上昇気流となるため、においも空へと逃げていきます。
くもりの時、においは湿気とともに地上付近に閉じ込められます。
くもりの時の方が、花のにおいも感じやすくなりませんか?
雨が降ってしまうと、においはしづらくなりますが…。

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雨のにおいというのは、名前があり、ペトリコール(ギリシャ語で石のエッセンスという意味)といいます。
自分の真上の空で雨がまだ降っていなくても、周辺で雨が降っているような時、雨粒が石やアスファルトに打ち付けると、その時に地面にあるにおいの成分が空気中に舞い上がり、それが風に乗って周辺に漂う。
そのために雨の降る前触れで、独特なにおい「ペトリコール」がするのです。

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プロフィール
蓬莱大介(ほうらい・だいすけ)
気象予報士・防災士。1982年兵庫県明石市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年読売テレビ気象キャスター就任。 現在、読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」「かんさい情報ネットten.」「ウェークアップ」にレギュラー出演中。読売新聞(全国版)で連載記事「空を見上げて」を執筆。
著書 「クレヨン天気ずかん」(2016年主婦と生活社)
「空がおしえてくれること」(2019年 幻冬舎)