【奈良県】前に出ない奈良県民が、急にドヤ顔で語り出す奈良漬は高級品だった!

2023.07.03

【奈良県】前に出ない奈良県民が、急にドヤ顔で語り出す奈良漬は高級品だった!
©ytv
関西では京都府民や大阪府民がとかく他県をマウントしがちな中、奈良県民はあまり自己主張しない。歴史は一番古いのに、いつもおずおずと前に出ない印象だ。
ところが奈良漬の話になると、急に胸を張って主張する。

街で出会った奈良ダンディに奈良漬について聞くと「奈良漬のない生活考えられへんのちゃう?よそにある奈良漬と違うと思うね。奈良に来て食べてもらわんとね」とドヤ顔で語り出す。「京都の奈良漬は奈良漬ちゃいますよ。京都が真似してんねんからね」なんと、奈良漬で京都をマウントするではないか!
©ytv
小さなお嬢ちゃんに、東京の人は奈良漬をあまり食べないと言うと、「こんなおいしいもの食べたことないんやな!」と上から目線だ。奈良漬の話題になると、とにかく強気に出る奈良県民。

奈良マダムたちが「スーパーでは買わない。専門店、作ってはるところで買う」と教えてくれた。「お店によって味が全然違う」と言うので、同じ味じゃないんですか?と聞くと「石投げられるよ奈良県民に」と笑いながら目が怒ってた。

そこで専門店を探してみると、JR奈良駅前の商店街に次々に現れる。いろいろある中でどの店がおいしいのだろう。
「奈良漬はね、森奈良漬店」「一番おいしい」と皆さんが言うので、東大寺の参道の端にある森奈良漬店に向かった。
©ytv
お店に行くと、鹿がショッピング中なのか、お店の中を歩き回っている。陳列された奈良漬を手に取ると、高級品なのか1,300円くらいする。

包みを開けると、黒い塊に茶色いペーストが!これが奈良漬の正体なのか?そもそも何を漬けてあるの?聞くと、瓜を酒粕で漬けてあるのだそうだ。

塩漬けにした瓜を酒粕で熟成させる。数ヶ月ごとに取り出し新たな酒粕にまた漬ける。完成までに一年以上かかると言うではないか。

できあがった奈良漬は、東京都内で買った奈良漬と全然違って濃い。まったく違う食べ物と言っても過言ではない。
©ytv
奈良県民としても「普段のお漬物とは扱いが違う」そうだ。「高いから贈ることはある。他府県の人にいいものあげようと思ったら、奈良漬」そうなのか、奈良漬は贈答品なのか!

今度は山崎屋本店に行ってみた。ショーウインドウをのぞくと、結構なお値段。樽詰めの数本入りが、14,000円!げっ、高い!しかもいろいろ種類があるぞ。山崎屋では9種類あって、瓜以外にもきゅうり、なす、にんじん、さらにすいか、メロン、柿なども奈良漬にする。

数ある奈良漬店の中でももっとも老舗、江戸末期創業の今西本店。その5代目店主、今西泰宏さんに奈良漬の起源を聞いた。
その歴史ははっきりしないところもあるが、奈良時代に始祖のものが貴族への献上品として存在したという。1988年に出土した木簡に加須津毛瓜(かすづけうり)と書かれているのが、日本最古の漬物の記録。室町時代末頃に「奈良漬」の言葉が誕生したそうだ。

奈良県民は、奈良漬を様々な食べ方で食すという。
最初に出てきた奈良ダンディたちは「ヨーグルトに刻んだ奈良漬をまぶしたら高級なお酒のアテになる」と言う。えー?ヨーグルト?他にも、ちらし寿司にまぶしたり、中華料理店では奈良漬高菜じゃこチャーハンが出てきた。
奈良漬のピザもあり、ドイツから観光で来たカップルも「very nice!」と喜んでいたが、塊の奈良漬を見せると、「肉みたいだ」と笑いながらちょっと引いていた。
©ytv
我々他県民は、奈良漬を誤解していた。奈良に行ったら、鹿たちと一緒に専門店を巡ってみたい!

【文:境治】
リンク
この記事を共有する

新着記事

新着記事一覧へ

アクセスランキング