いま一番熱い関西の漫才賞レース、第12回ytv漫才新人賞が開幕! ROUND1を通過したのはドーナツ・ピーナツとコウテイ! 

読売テレビが主催し、関西地区で放送する『ytv漫才新人賞』が今年も開幕した。芸歴10年目以下の若手漫才師を対象に、3回にわたって選考会を行い、各ROUNDの上位2組ずつ、計6組の漫才師が年度末に開催される決定戦に進出する。さらに今年度から「敗者復活枠」を新設。ROUND1~3の中で最高得点を獲得した敗退者1組にも決定戦出場権が与えられ、計7組で12代目王者のタイトルを争う。また、例年はくじ引きで決定していた決定戦の出場順についても変更が。早いROUNDで通過したコンビから順に、好きな出場順が選べるというシステムになり、より早く通過することへのアドバンテージが高くなった。
今回のROUND1では、事前審査を突破した精鋭12組がエントリーし、決定戦に出場できる最初の2組を選考。各組のネタの持ち時間は3分で、オール巨人(オール阪神・巨人)、お~い!久馬(ザ・プラン9)、哲夫(笑い飯)、久保田かずのぶ(とろサーモン)の4人の審査員による合計400点満点の採点で順位を決定する。
過去の優勝者には銀シャリ、藤崎マーケット、霜降り明星といった実力派が揃い、優勝賞金は100万円。昨年度はカベポスターが戴冠し、全国レベルで活躍中だ。読売テレビでの冠特番の権利も手にすることができるとあって、大阪の若手芸人の一つの大きな目標となっている。

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11日に放送された『ROUND1』では、ドーナツ・ピーナツとコウテイの2組が決勝進出を決めた。決勝進出決定直後の2組にインタビューし、心境を語ってもらった。

1位で進出を決めたドーナツ・ピーナツ(左:ピーナツ 右:ドーナツ)
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―― 1位で名前を呼ばれたときの心境は?

ドーナツ:僕らは9年目で、選考会にも結構出させてもらって、苦い思いもめっちゃしてたんで、ROUND1で1位通過っていうのはもう、でたらめに嬉しいっすね。

ピーナツ:なんか苦かったっすね…。苦味がすごかったけど、旨味も遅れてやってきた、みたいな。サザエ、サザエの苦いところみたいな感じです。

ドーナツ:合っとんか、それ(笑)

ピーナツ:本当に嬉しかったです。「ドーナツ・ピーナツ」って呼ばれたときは、改めて僕らのコンビ名ってかわいいなって。

ドーナツ:そこで思ったんや!? 呼ばれたときに! 冷静やったんや。

―― ネタ中に手応えみたいなものは感じましたか? 

ドーナツ:いや、やってるときは割と僕は一生懸命というか、実力を出し切ることに集中したんで、手応えというよりかは集中して頑張ったって感じですかね。

ピーナツ:僕はあんまり余計なこと考えない方がいいタイプなんで、ワーッて出て行ったら、ただ楽しくやりました。いい意味で調子乗るというか。

――  ROUND1では、もう1組がコウテイさんに決まりました。

ドーナツ:コウテイさんは先輩ですけど、これで1回なぎ倒したもんな(笑)。まあなぎ倒したというか、コウテイさんは常連ですし、僕らは初ですし。やっとの思いなんで、本当に食らいつくというか、自分らしく頑張れたらなと。

ピーナツ:そうですね。僕ららしさは大事にしてますけど、確かにコウテイさんは結構芸風が似てるので…。

ドーナツ:どこがなん!? 一滴も似とらんやろ。

ピーナツ:まあまあ、でも他のどの人達が上がってきても、自信持ってやれるように、ここから決定戦までしっかり頑張りたいと思います。

―― ROUND1には、結成9年目の同期にあたる方が全部で5組出場していました。また今後もROUND2・3とありますが、ROUND1に出た方や、それ以外の身近にいる方だったりで、「こいつが上がってきたら怖いな」みたいな、ライバルになりそうな方はいますか?

ドーナツ:正直、あんまり周りのことは見ないようにしてるというか、あんまり考えないようにしてるんで。でも、それこそ他の同期は決定戦にもよく行ってるんで、誰が来てもライバルですし。

ピーナツ:ほんまにそうですね。みんなおもろいんで。誰が上がってきても納得というか。この人達が出てきたら…とかは意識してないかもですね。自分達のことで精いっぱいです(笑)。
ドーナツ:自分達が一番のライバルかもしれんなあ…。

ピーナツ:めちゃくちゃかっこよくまとめとるよ! 俺のぶんどったやん。

ドーナツ:おいしそうやったからね。

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―― お2人とも知的な感じというか、かわいらしい感じの見た目なのに、審査員の方もおっしゃってましたが、結構どぎつい言葉が続く漫才ですよね。

ピーナツ:意外とパワータイプという。

ドーナツ:まず育った町が、そういう町やったんで(笑)。いい意味でパンチ効いた町だったんで。

―― 故郷はどちらですか?

ドーナツ:僕ら、福岡県の北九州市の小倉っていうところの出身なんです。

―― では、何か意図してというよりかは、割とナチュラルに出てくるような…。

2人:そうですね。

ドーナツ:汚い言葉で話そうとかは特に思ってなくて。

ピーナツ:今日もネタ中にドーナツが「ぶちのめすぞ」って言ってましたけど、あれ一発目のネタ合わせから普通に言ってたんで。

ドーナツ:そうっすね。特に決めて「ぶちのめすぞ」っていうのでもなく、ナチュラルな僕らの方言とか喋りなんで。

ピーナツ:こっちで言う「なんでやねん」みたいなことなんかな。

ドーナツ:「なんでやねん」が「ぶちのめすぞ」って、どんな町なん!?

ピーナツ:でも、(ドーナツが)横で怒ってるときに、何か、漫才の出来がわかるときがありますね。今日いいなっていうときは、“怒ろうと思って怒ってる感じがない”というか、「本当に自然にキレてるわ」って思いますね。そこは指針にしてますね。

―― 見逃し配信もあるので、関西以外の方もご覧いただけるんですが、他にも「実はここはミスってました」みたいなことってありますか?さっき裏で別のインタビューではドーナツさんが8回噛んだとおっしゃってましたが・・・

ドーナツ:ちょっと今日は「ガトリング噛み」みたいなのをしましたね…。みなさん、どうぞ確認してください。

ピーナツ:総評をもらうところで、MCの藤崎マーケットさんが「巨人師匠、お願いします」って言ったときに僕、チャックがちょっと開いてたんで…。

ドーナツ:なんやそれ(笑)

ピーナツ:それをちょっとキュッと閉めてる姿が…。

ドーナツ:そこがオンエアされてるのか、どうか…。

ピーナツ:お客さんも何人かはニヤニヤしてました。

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―― 今回からルールが変わって、決定戦の出番順を一番最初に選べるっていう立場になったんですけど、逆にこれは難しいですか?

ドーナツ:いや~、そうですね。これ難しいですよ。

ピーナツ:2組ぐらい見てからやり直させてほしい…。

―― フースーヤさんのようなタイプが上がってきたときとか、結構大変ですよね…。

ピーナツ:まさにさっき、田中ショータイム(フースーヤ)とその話をエレベーターの前でしてて。「フースーヤは俺らの前に絶対に来んといてくれ」っていう話をしたら、「行きます」って言ってたんで、「じゃあもう俺らはトップ行くわ」って言って。

ドーナツ:それもうおかしくなってるし!

―― でもある意味トップっていうのは、戦略としてはなくはないですよね。

ピーナツ:確かに、ちゃんとそこは1回考えて…まさか、出順決めるの、今日この後じゃないやんな? 

ドーナツ:そんなすぐ、「今、決めてください!」とか無理よ。でも、自分らを一番美味しく味わってもらえる出順で、しっかり決めたいという感じですね。

―― まだだいぶ先の話になりますが、賞金の使い道は?

ドーナツ:優勝したら100万円なので、1人50万になるのか…。僕は、炊飯器、冷蔵庫、洗濯機、家具全替えですね。スイートチリソースを冷やしたいんで。僕、調味料大好きなんです。

ピーナツ:僕はテレビと、ベッドと、あとは本棚を買い換える。

ドーナツ:ほぼ俺やん!

ピーナツ:お前とはかぶってないから。

ドーナツ:かぶってないけど、もうニュアンスが全かぶりしとる!

ピーナツ:あと調味料を全替えしようかな。

ドーナツ:なんで調味料を全替えするんや。まだ使えるやろ!

ピーナツ:でも本当に思うのは、親を旅行に連れて行って、ほんで後輩達にご飯食べさせてあげたいっていうのは僕の素直な気持ちですね。

ドーナツ:こいつ、好感度を上げようとしとる…。

ピーナツ:お前はなんやったっけ?

ドーナツ:俺は家電全替え。

ピーナツ:お前が家電買っとる間に、親を旅行に連れていくわ。

ドーナツ:なんで俺を落として、お前が好感度上げるの?(笑)

ピーナツ:ま、でも親の旅行と、恩返しに使いたいですね。

―― 最後に、決定戦に向けて意気込みをお願いします。

ドーナツ:もう本当に、自分を全部出し切って勝ちたいなと思いますね。

ピーナツ:計算して、こういうネタをやったら優勝できるとかよりも、素直に自分達が面白いっていうものをぶつけて、世間に名前が売れたら…。

ドーナツ:面白いと思ってもらってね。それでなおかつ優勝ができたら。

ピーナツ:そうですね、それが一番いいかなって。ストレート勝負で行きたいと思います。

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熱く決定戦への意気込みを語ってくれたドーナツ・ピーナツ。そして2位通過を果たしたのはもはや全国区の売れっ子となりつつあるコウテイ。実はこの日も、収録後すぐ飛び出しという過密スケジュール。取材陣に二人は「ビリケンスマイル」と一言だけ残し、颯爽と次の現場へと向かっていった。

2位で進出を決めたコウテイ(左:下田真生 右:九条ジョー)
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次回のROUND2は11月オンエア予定。果たして2組に続いて決定戦進出を決めるのは誰なのか?目が離せない!