影山貴彦のウエストサイドTV 第39回  「ランキングがお好きでしょ?」

先日ある週刊誌の特集記事で、【「令和イチの女優」ベスト50】というものがありました。光栄なことに編集部の方から選者のひとりに選んでいただき、汗をかきながら「採点」したのです。

ネットにも上がっていますので、詳細が気になる方はチェックいただけたらと思いますが、ちなみに1位は長澤まさみさん、僅差で2位が綾瀬はるかさん、3位が松たか子さんという結果でした。私が最高点をつけた長澤さんがトップに輝いて、妙に嬉しかったです。
 
それにしても、私たちはランキングものが好きですよね。テレビでもさまざまなランキング企画が放送されています。特に人気なのはグルメランキングでしょうか。これもまた関東と関西で差があるのが面白いところです。
 
自分が「推し」ている物や人が上位にくるとなんだかテンションが上がりますが、逆に下位とかランキング外になっていると、「なんだ、このランキングは!誰が決めたんだ!信用できない!」と腹を立てたりするものです。ランキング調査の形態によって、結果はさまざまですし、そもそもエンターテインメントとして楽しんだり、あくまでもひとつの参考材料にすればいい類のものですが、つい「過熱」してしまうのは、ある意味日本人の真面目さの裏返しかもしれません。
 
ランキングとは少し違いますが、旅行をする際、事前にガイドブックや旅行サイトを熟読される方がいます。気持ちはとてもわかります。せっかくの旅行ですから、とっておきのスポットを見逃したくない、地元のグルメを間違いのないところで堪能したいということでしょう。写真と実物を見比べて、「おんなじおんなじっ!」と喜んでいる方も少なくありません。もはや「確認作業」といった感もあります。
 
私はあまりガイドブックの類を見ないで旅をするタイプです。ドライブに行くにも、駐車場からクルマを出す際、まだどこに行くか決めていないことがしょっちゅうです。「そんなの信じられない」という方もいるでしょうね。確かに何しに行ったのか分からないということもあるのですが、結構楽しんでいます。。
 
グルメランキングの1位のラーメン屋さんの行列に並んで、美味しくいただくのももちろんいいのですが、仲間とフラッと入った定食屋がとってもまずかった、という経験もまんざら悪くないように思うのですが、いかがでしょう。え?やっぱり美味しいものを間違いなく食べたい?そりゃそうですよね、失礼致しました。きっと今日もどこかの番組でランキング企画が放送されているはずです。



執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
毎日新聞等にコラム連載中
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など