【群馬県】数えるときなぜか11から20だけメロディをつける群馬県民が謎だ!

例えばかくれんぼするとき、鬼になった子は30まで数えたりする。「いーち、にーぃ、さーん」と、普通に一本調子で数え続けるだろう。ところが群馬県は違うらしい。

高崎公園でお花見中の群馬県民に聞いてみた。「群馬県民は11以降メロディに乗ることを取材しにきました」と説明するとピンときてない?「メロディ?」「自覚ない」と何言ってるのかと言わんばかり。ところが実際に数えてもらうと、「いーち、にーぃ・・・」と10まではメロディがない。それが11になるといきなり「じゅう↑いち↓じゅう↑に・・・」と音程に上下がつき始めたではないか!
別の家族に数えてもらっても同じ。やはり11になると急に音程がつく。しかもみんな同じメロディだ。
どうしてか聞いても「え?なんでだろう?勝手にノってきちゃう体が。」と自然とそうなるとしか言えないようだ。

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そのほか、どの群馬県民に数えてもらっても同じ。なぜか11以降メロディ付きで数えるし、皆さん同じメロディ。しかもなぜかを聞いても自分たちでもわからない。ただ自然とそうしてしまうようなのだ。

そこで前橋市にある蒼羽藝術高等専修学校にうかがい、作曲を教える先生に譜面に起こしてもらった。すると、このメロディはたった3つの音しか使われていないことが判明。先生によれば、3つだけだから覚えやすく歌いやすいのだろうとのこと。例えば屋台のラーメン屋さんが使う「チャルメラ」も3つの音でできている。
このメロディをピアノの先生の伴奏で声楽の先生に歌ってもらったら何か荘厳な素晴らしい曲のように思えてくるから不思議だ。

それにしてもなぜ群馬県民はメロディにノって数えるのか。高崎商科大学の特任教授・熊倉浩靖さんに聞いてみた。「全くの仮説ですが、座繰りのリズムかなと思いました」とおっしゃる。座繰りって何?
教授が持ってきたのは、大きな糸巻きがついた木製の機械だ。「座繰り機と言って、蚕の繭から生糸をとる道具です。」回す時のリズムが大事なのだと、教授が11以降を歌いながら座繰り機を回すと確かにしっくりくる。
「群馬県は明治5年に富岡製紙工場ができて日本の蚕糸業の中心になる。しかも群馬はかかあ天下。お母さんたちが家で座繰り機を回すのを見て自然とメロディが伝わっていったのではないか。」
あくまで仮説だが、とても納得できた。

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今度はあるご家庭のお風呂タイムにお邪魔し、湯船から出る前にお父さんが子どもたちと数を数える様子を観察。11に入るとやはり、メロディが入ってくるのだが、21以降になると今度はメロディがなくなり、平坦な数え方になった。なんだと?!

街で何組かの群馬県民に21以降を歌ってもらうと、同じ。どういうことだ?
あるグループに試しに21以降にメロディをつけることに挑戦してもらうのだが、うまくできない。なんでできないんですか?と思わず聞くと「できねえものはできねえんだよ」とキレ気味に言われた。100まで数えたらどこかにまたメロディがあるのでは?と突っ込んでみたが「いいよ」と投げ出すように言われてしまった。

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うーん、不思議!メロディをつけて数えることは納得したけれど、なぜ11から20だけなのか?深いぞ、県民文化!誰かこの謎を解明してください!

【文:境治】