ハザードマップ

2020.07.23

ハザードマップ
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今年の梅雨は6月のうちから雨の降り方が激しく「コロナと大雨の複合災害に警戒」とお伝えしていましたが、「令和2年7月豪雨」で降った雨は、ここ数十年にないレベルの記録的雨量となり、九州を中心に大災害をもたらしました。
今年だけではなく、ここ数年、気象災害が相次いでいます。
これは単純に「地球温暖化で気温と海水温が高い」という一言ではないと思っています。毎日、天気図を見て気象情報を最前線で伝えているキャスターの立場から考えると、
近年起きている気象災害は「その時に悪条件がいくつか重なった時に発生」しています。
悪条件がいくつか重なることは、低い確率ながら「まれには起こること」です。
しかし!
ここ数年、この悪条件が重なる頻度があまりにも続きすぎています。その場所で数十年に1度レベルの気象現象が全国各地で発生しています。しかも、その現象が降らす雨量は現在の予報技術を超えています。
「何か気象にイカサマがされて、低頻度の現象が高確率でやってくるような・・・」
もし、このイカサマの正体が地球温暖化によってならば、非常にやっかいです。
一見偶然とも見える悪条件が重なる現象は、事前予測が難しいのに、今後とも発生しやすく災害のリスクが高いと考えなければならないでしょう。
気象の世界ではまだよくわからないことがあります。しかし、ここ数年の傾向を見ている限り、これからも大災害に対しての防災意識を高く持つべきだと思います。
かつての災害を経験して作った堤防などハード対策だけでは通用しない時代です。
情報を早めに得て、前もって逃げておくというソフト対策も合わせて必要です。
そこで、自分の住んでいる場所のリスクを事前に知るためのツールとして「ハザードマップ」があります。正直、面倒くさくて見たことないという方もいるでしょう。このサイトを見さえすれば一括で分かるという便利で簡単なサイトがありますので、紹介します。
リンク
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一枚の地図に、洪水リスク、土砂災害リスク、津波リスク、避難場所などがワンクリックで見られます。航空写真にも切り替えられますので、自分の住んでいる自然環境が見た目で非常に理解しやすいです。

インターネットが使えないという高齢者の方もいます。そういう方は、市や区が発効している紙のハザードマップを参考にしてもらえればと思います。
その紙さえも見られない方は周りの人が情報を伝えて助けてあげて下さい。
市や区の自治体は、1回配ったからおしまいではなく、1年に1回は住民のポストに配って、出水期の前には毎年確認した方がいいでしょう。
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プロフィール
蓬莱大介(ほうらい・だいすけ)
気象予報士・防災士。1982年兵庫県明石市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年読売テレビ気象キャスター就任。 現在、読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」「かんさい情報ネット ten.」「ウエークアップ!ぷらす」の3番組にレギュラー出演中。 2020年からはkiss-FM KOBE「FRIDAT NIGHT SPECIAL蓬莱大介RAIN SONGS」でラジオパーソナリティーを務める他、読売新聞(全国版)で連載記事「空を見上げて」の執筆スタート。
著書 「クレヨン天気ずかん」(2016年主婦と生活社)
「空がおしえてくれること」(2019年 幻冬舎)
「蓬莱さんのスケッチ予報Calendar2020」(2020年 読売テレビエンタープライズ)
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