“関西の水卜ちゃん”こと諸國沙代子アナ 「ミス東大」の超エリートから「イジられキャラ」開眼まで

2017.12.25

早朝の『朝生ワイド す・またん!』(以下『す・またん!』)や長寿番組『大阪ほんわかテレビ』など、読売テレビを代表する関西の人気番組に出演中の“しょこちゃん”こと諸國沙代子アナウンサー。愛らしい笑顔が特徴で、プライベートでは猛烈な“トラ党”。そんなナイスな人柄が関西のお茶の間にばっちりハマっている。そして、少しぽっちゃりとした癒し系のルックスが、『好きな女性アナウンサーランキング』で殿堂入りをはたした日本テレビの水卜麻美アナウンサーを彷彿とさせることから、“関西の水卜ちゃん”と呼ばれることも。
 そんな諸國アナだが、実は2015年の入社当時、関西スポーツ紙を大いに賑わせたのを覚えているだろうか? 「読売テレビの新人女子アナは元ミス東大!」、「ミス東大の大型新人!」−−−。そんな見出しが躍った懐かしいあの頃から早や3年。親しみやすさが持ち味の“関西の女子アナ”らしさがすっかり板についてきた諸國アナに、今の心境を聞いてみた。

読みテレ:入社当時、“ミス東大”という前評判でスポーツ紙などに大きく取り上げられましたが、本心ではどう受け止めていましたか?

諸國:正直なところ、「そう言われても、どう返せばいいんだろう?」と戸惑いましたね。なぜかというと、“ミス東大”に選んでいただいたのは大学1年生の時。入社した時にはすでに4年も経っていたし、私にとってずっと前の出来事だと捉えていたんですよ。でも、スポーツ紙さんがキャッチーに取り上げてくださったのはありがたかったです。ただ、当時は“ミス東大”というフレーズを自分でおもしろくする実力はもちろんないし、もどかしかったですね。「申し訳ないな…」と思っていました。

読みテレ:“ミス東大”と謳われることが辛かった?

諸國:「どうやっても、うまい感じには収まらないな」と諦めていたんです。でも、『す・またん!』のスタッフは、いつまでも“ミス東大”というフレーズをしつこくしつこく使ってくれて(笑)。そのおかげで、今やっといい具合のネタにしてもらえたのかなと思います。性格的に、イジられるほうがありがたいです。

読みテレ:具体的にはどうイジられた?

諸國:『す・またん!』は、米米CLUBの石井竜也さんに楽曲を提供していただいているご縁もあり、インタビューさせていただく機会が多いんですが、その時、スタッフさんがいつもインタビュールームに私の学生時代の写真パネルを用意するんです。石井さんは、私とそのパネルを見比べながら「僕はこのパネルの子に会いたいんだけどなぁ」とイジってくださったり(笑)。7年も前の“ミス東大”を長きに渡わたってネタにしてくれたおかげで、今はおもしろい感じに消化できているのかな、と。おかげで気がラクにもなりました(笑)。

読みテレ:“ミス東大”がようやく武器だと思えるようになったんですね?

諸國:そう思えるようになったのも、本当に周りの方々のおかげです。『大阪ほんわかテレビ』でも、笑福亭仁鶴さん、桂南光さんという関西の大御所落語家の方々や、すっちーさんといったお笑いのプロフェッショナルの方々がイジってくださいますし、スタッフさんも私が走るVTRに「ポヨ〜ン、ポヨ〜ン」とわざわざ効果音を付けてくれたりとか(笑)。本当におもしろい方たちが真面目にふざけたら、こんなにおもしろくイジってもらえるんだと感謝しています。
読みテレ:イジられることで自分らしさを出せるようになってきたんですね。
いつ頃から「ひと皮むけた」と感じましたか?

諸國:去年の大阪マラソンで、『す・またん!』の番組ランナーとして出場した時です。その頃、番組に出演し始めてまだ半年しか経っていなくて、実力もまだまだだし、「こんな私が、ここにいていいのだろうか?」と負い目を感じることもありました。そんな時に番組の名前を背負って出場することになったのですが、練習を重ねていくなかで、スタッフさんが夜を徹しての編集作業の後に走る練習に付き合ってくれたり、不安な気持ちを聞いてくれたり、本当に支えてくださったんです。こんなに一所懸命になってくれる温かい人たちに囲まれて、「負い目を感じている場合じゃない!」という思いが強まりました。いざ本番を迎えた時も、走っている最中に沿道の方々やランナーの方々に「しょこちゃん、いつも観てるよ!」と声をかけていただいたことも励みになりました。「私、ここにいていいんだ」と、やっと思えるようになりました。

読みテレ:無邪気な笑顔の影で、そんな不安や葛藤があったとは。

諸國:内向きなところもありますよ(笑)。日々の生活のなかでは心配性だし、怖がりだし、「私なんて…」と落ち込んじゃうこともあります。でも、全体的に人生を見渡せば「死ぬ気でやれば、何でもできないことはない!」と、ドーンと構えている自分もいます。相反するんですけど、失敗もきっと糧になるし、最終的にはいい“ネタ”になるんじゃないかなと思っています。

読みテレ:3年目に入り、より余裕のある部分が多くを占めてきたのでは?

諸國:多少は、ですね(笑)。学生の頃は白黒ハッキリさせたいタイプで、反省すべき点が見つかったら自分が納得するまで時間をかけて突き詰めたいと思っていたんです。でも、アナウンサーになってからはそんな時間はなかなか取れないし、体力も気持ちの余裕もなくなって。最初はそれがすごく辛かったんですけど、今では「明日早いから、もう寝よう」と気持ちを切り替えられるようになりました。もちろん反省は大事ですが、何事にもバランスが必要と思えるようになってからは、ずいぶんラクになりました。

読みテレ:反対に、入社当時から変わらない部分は?

諸國:関西のお茶の間に親しんでいただけるアナウンサーになりたいという目標はずっと変わらないです。「しょこちゃんがこう言ってたで」と日々の会話に登場するような、みなさんの生活の一部になりたいです。

読みテレ:では、“関西の水卜ちゃん”と呼ばれることにはどう思ってる?

諸國:たとえ“関西”と付いていたとしても、あんな人気、実力ともに素晴らしい水卜アナウンサーのお名前を引用させていただくなんて、本当に恐縮しきりです。出演される番組では、あれだけたくさんのタレントさんやお笑い芸人さんがいるなかで、まとめ役もイジられ役もできますし、しかもそれをごく自然にやってらっしゃるのですごいなと思います。ナレーションをされる時も、集中して聞いていないと水卜アナとわからないくらい、普段のほんわかした雰囲気とは違うナレーションもお上手で、いろんな面をお持ちの方だなと思います。すごく尊敬しています。以前、日本テレビさんの特番でお会いして、大好きな日本酒のお話しさせていただいた時に、「日本酒っておいしいもんね〜。また飲みに行きたいね」と言っていただいて、すごくうれしかったです。その時はゆっくりお話しできなかったので、ぜひご一緒させてもらいたいです! 水卜アナウンサーとカニ鍋ツアーみたいな特番があればいいのになぁ。温泉もセットだと、なおうれしいです(笑)。

【取材・文:中野 純子】

諸國アナウンサーよりご挨拶ムービー

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